危険物試験 物化[物理・化学]対策
危険物取扱者 物理化学のポイント
危険物取扱者試験は「法令」「物理化学」「性質消火」の3分野がそれぞれ60%以上の正答を選ばなければ合格できません。
このページでは危険物取扱者試験に出題される物理化学分野の重点をわかりやすくまとめていきます。
物理・化学分野の出題がある危険物取扱者試験。
…とは言っても、中学・高校の理系の教科書の内容の全てをそのままなぞって解説・掲載することになりかねないため、基本的には市販の危険物試験対策テキストを購入して、要点を勉強してください。
このページでは勉強の進め方について解説します。
このページのポイント
危険物試験の物化問題の難易度を知る
危険物取扱者試験 物理化学科目の対策勉強ガイド
どんな出題がされるんだろう?
<例題>
☆次の組み合わせのうち、混合物のみのものはどれか。
(1)硫黄、空気、ベンゼン
(2)アルコール、水、アセトン
(3)ガソリン、空気、軽油
(4)アルコール、灯油、水素
(5)アルコール、ガソリン、トルエン
★正答は(3)です。
…というような問題形式ですので、市販の合格対策テキストと問題集テキスト×2~3冊を購入し、勉強を進めていくと「よく目にする問題」というのがわかるようになってきます。
あらかじめ知っていないと正しい解答に辿りつくのが難しい物理化学の分野ですが、試験実施者の立場に立って考えてみましょう。
入学試験と違い、合格者数に上限無し
わざわざ意地悪でほとんどあり得ない状況の例題を作って無意味に難しく問題作成する必要はなく、危険物取扱者として基本的な知識が身に付いているか、、それの判定(=危険物を取り扱う資格あり!)を目的に「免状」を交付する…そういう資格試験です。
つまり、、「よく見かける頻出問題=覚えるべき知識」であり、ひいてはそれが危険物取扱者試験の合格へとつながります。
下の項目はそのような「物理化学分野」に関するごく一部の基本的な内容です。本当の試験勉強は市販の対策テキストを2~3回ほどちゃんと覚えながら目を通して勉強していきましょう。
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物理化学[物化]分野の出題範囲例
液体が燃焼する?燃えるって?消すにはどうする?
<引火点と燃焼範囲>
丙種資格は第4類危険物。
4類は引火性液体です。
液体は直接燃えるのではなく、液体が蒸発(発揮)した蒸気が空気(酸素)と混合され、着火可能な混合気の濃度範囲にある時に初めて引火・燃焼します。
燃焼が可能な混合濃度の範囲を燃焼範囲といい、揮発をはじめて引火濃度に達する温度が引火点です。(注:『「引火点が低い」=極めて引火しやすい』ということです。)
さらに食用油のように加熱しすぎると火を近付けなくても発火する温度を発火点といい、引火点と区別して覚えましょう。
<燃焼の条件、燃焼の種類>
☆燃焼には『可燃物、酸素供給源、点火源』の3つの要素が必要であり、消火の理論にも通用するので押さえておきましょう。
◎定常燃焼…安定した燃焼状態の炎の燃焼。
◎非定常燃焼…いわゆる爆発など人が制御できない燃焼。
◎表面燃焼…木炭などのように表面で燃焼する燃焼。
◎分解燃焼…木材などの燃焼で熱分解によって生成するガスが燃焼し、「自己燃焼」「内部燃焼」などで進行する。
<消火の原理>
☆燃焼の3要素のうち1つを取り除くと燃焼は継続できなくなる。(=消火)
◎除去効果…燃料となっている可燃物を取り除く効果・目的の消火方法。
◎窒息効果…酸素の供給を遮断する効果・目的の消火方法。
◎冷却効果…燃焼温度を低下させる効果・目的の消火方法。
◎抑制効果…酸化反応を抑制して燃焼の継続を抑える効果・目的の消火方法。負触媒消火ともよばれる。
冒頭で説明している通り、教科書的な文章の羅列にしかならないので、繰り返しますが「市販の危険物テキスト・参考書」を2~3冊購入して勉強を進めてください。
複数の参考書で重複する項目を重点的に頑張り、確実に覚えましょう。
以下、続き。
基礎的な化学
<物理変化と化学変化>
★物理変化(状態変化)
◎温度や圧力などの条件を変えることによって生じる状態の変化。⇒水と氷、ドライアイスと二酸化炭素、ニクロム線が赤く光る、ガソリンの流動による静電気の発生など。
★化学変化
◎酸化や化合など化学的に変性し、元の物質と異なる他の物質を生じる変化。⇒鉄とサビ、木炭の炭化、物質の燃焼など。
<化合物と混合物>
★化合物
◎2種類以上の物質に分解でき、化合によって合成できるもの。⇒水、硫酸、塩素酸カリウム、アルコールなど。
★混合物
◎それぞれの物質が単に混ざり合った状態で構成されているもの。⇒ガソリン、灯油、セルロイド、空気、食塩水など。
化学の一般法則
<質量保存の法則>
★物質間に化学変化が起こる場合、その化学変化の前後における物質の質量の総和は一定である。
<倍数比例の法則>
★同じ2つの元素が化合して、2種類以上の化合物を作る時、一方の元素の一定量と化合する他の元素の質量の比は、簡単な整数の比になる。
<定比例の法則>
★ある一つの化合物の中で化合している元素の質量の比は一定している。
<ボイルの法則>
★一定温度において、気体の体積は圧力に反比例する。
<シャルルの法則>
★一定質量の気体の体積は、圧力が一定であると、温度1度上昇または下降するごとに、0度の時の体積の1/273ずつ膨張または収縮する。=一定圧力において、気体の体積は絶対温度に比例する。
<ボイル・シャルルの法則>
★一定量の気体の体積は、圧力に反比例し、絶対温度に比例する。
<アボガドロの法則>
★すべての気体は同温同圧のもとでは、同体積中に同数の分子を含み、1モルは標準状態で22.4Lの体積を占め、6.02×10の23乗個の気体分子を含む。
…と、いうような知識が問題文の中で時々出てきます。
冷たいようですが、「覚えていなければ何時間考えても正解は出ません」。
逆に覚えていれば、数秒で答えに辿り着くことができるでしょう。
物理化学分野の勉強のコツ
有料商売である「参考書」は侮れない
『紙』に価格をつけて「売り物」にしている書籍・出版物はしっかりまとめられているので、本当に試験に受かりたいのであれば、お金を出して勉強の本を購入した方が自分のためです。
…と、言うのが、物化分野の勉強のコツ。
常識的なことですが、そもそも暗記するだけで受かる試験なのでそれが一番早い道です。
参考書に解説を丸投げ…と、いうより、危険物試験の物化分野は冒頭で説明した通り、中学・高校の教科書の内容を羅列するだけになってしまうので、「(よくまとまっているので)参考書で勉強した方がいいですよ」というアドバイスです。
大丈夫、60%正解すれば合格できる試験です。
参考書で解説されている内容を8割覚えれば受かります。 (^_-)-☆
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