有機過酸化物の性質 重要暗記項目
危険物取扱者試験で出題される危険物の「性質消火」問題の暗記ポイントをまとめていきます。
乙5/甲種危険物~自己反応物質~
有機過酸化物
メチルエチルケトンパーオキサイド
ベンゾイルパーオキサイド
指定数量 10キログラム
第1種自己反応性物質
危険等級 Ⅰ
それ自体が可燃物であったり、同時に酸素供給体でもあるので、爆発的に燃焼したり衝撃によって容易に爆発する危険性の極めて高いグループ。多量の燃焼は極めて消火が困難。
引火点
メチル~=72℃
ベンゾ~=-
発火点
メチル~=177℃
ベンゾ~=125℃
融点
メチル~=20℃以下
ベンゾ~=106~108℃
比重
メチル~=1.12
ベンゾ~=1.33
上記は基本概要です。危険物試験合格には下段の性質・特徴を把握し覚えましょう。
有機過酸化物の性質&指定数量
メチルエチルケトンパーオキサイドの性質
<指定数量>
◎10キログラム
<形状・性質>
◎別名:過酸化メチルエチルケトン ◎無色の油状液体。 ◎特有の臭気。 ◎強酸化物質。 ◎融点-20℃以下、引火点72℃、発火温度177℃。 ◎アルコール、エーテル、ケトン等に溶ける。 ◎水には溶けない。 ◎40℃で分解、80~100℃で激しく発泡分解する。 ◎110℃以上で発煙し、発火する時がある。 ◎常温でも鉄錆、紙、綿などと接触すると発熱分解して発火することがある。
<危険性>
◎直射日光、衝撃で分解、発火する。 ◎引火すると激しく燃焼する。 ◎大量に燃焼すると爆発する。 ◎密栓すると内圧が上がり分解が進む。
<貯蔵・取扱いの注意>
◎冷暗所に貯蔵し、異物との接触を避ける。 ◎大量に燃焼させないこと。 ◎容器は密栓せず、通気性を持たせる。 ◎廃棄処分については、吸収剤に吸わせ、少量ずつ焼却するか土中に埋める。 ◎排水溝に流すと大爆発の原因となる。
<消火の方法>
◎大量の水が最も効果的。泡消火器も使用可。
ベンゾイルパーオキサイドの性質
<指定数量>
◎10キログラム
<形状・性質>
◎別名:過酸化ジベンゾイル、過酸化ベンゾイル ◎無色の粒状結晶。 ◎無臭。 ◎強酸化物質。 ◎融点103.5℃、比重1.334、106~108℃で溶解分解する。 ◎エーテル、芳香族炭化水素の溶剤に溶ける。 ◎水には溶けない。 ◎可燃性物質で着火すると黒煙を上げて燃焼する。 ◎常温では安定な物質。 ◎100℃前後で発煙し、激しく分解する。
<危険性>
◎光、加熱、衝撃、摩擦などで分解、爆発する危険がある。 ◎濃硫酸や硝酸と接触しても分解・爆発する危険性がある。
<貯蔵・取扱いの注意>
◎冷暗所に貯蔵し、有機物や強酸類、異物との接触を避ける。 ◎容器は密栓する。 ◎含有水分が10%以下にならないようにする。 ◎廃棄処分については、吸収剤に吸わせ、少量ずつ焼却するか土中に埋める。 ◎排水溝に流すと大爆発の原因となる。
<消火の方法>
◎大量の水が最も効果的。 ◎小規模の消火には、炭酸ガス、泡、消火粉末も使用可。
以上は危険物取扱者試験(性質分野)に出やすい部分の「抽出」です。
確実に試験に合格するためには必須の暗記・整理項目なので、頑張って記憶していきましょう。
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乙種第5類危険物 共通重要項目
一般的概要
自己反応物質とは、爆発の危険性を判断するための試験で一定の性状を示す固体もしくは液体、または加熱分解の激しさを判断するための試験で一定の性状を示す固体または液体。
共通危険性
いずれも可燃性の個体、または液体で、比重は1より大きい。
一般に可燃性物質と酸素供給源とが共存している物質であるため、極めて燃焼速度が速い。
加熱、摩擦、衝撃などにより発火し、爆発するものが多い。
空気中に兆時間放置すると、分解が進み自然発火するものがある。
引火性のものがある。
金属と作用して爆発性の金属塩を形成するものがある。
共通火災予防
分解しやすいものは、特に室温、湿気、通風に気を付ける。
火花、炎、高温体との接近、加熱、衝撃、摩擦を避ける。
分解を促進する一切の要件を断つ。
容器の破損、亀裂が起らないように注意して取り扱う。
共通消火方法
第5類危険物は爆発的に燃焼し、かつ燃焼速度がきわめて速いので、少量または初期以外は消火は困難である。
酸素を含有しているものは、窒息消火をしようとして空気を遮断しても火は消えない。
大量の水で冷却して消火する。
乙種第5類(自己反応性物質の性質・火災予防・消火)
ここではこの類の試験に必要な「性質消火」対策として必要な範囲をまとめてあります。「物理化学」「法令」対策については別ページにまとめてあるので、科目免除を受けない方は「物化・法令」も同時に勉強・理解しましょう。
※以下↓の物質名から各個別性質解説ページへ飛びます。
▶1-有機過酸化物の性質の要点
詳細ページへ
メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド…
▶2-硝酸エステル類の性質の要点
詳細ページへ
硝酸エチル、ニトロセルロース(無煙火薬・コロジオン・セルロイドの原料)、ニトログリセリン…
▶3-ニトロ化合物の性質の要点
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ピクリン酸…黄色の結晶、金属塩を作る。トリニトロトルエン…爆薬、金属と作用しない…
▶4-ニトロソ化合物の性質の要点
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ジニトロソペンタメチレンテトラミン…DPT、ホルムアルデヒド、アンモニア、窒素を生じる…
▶5-アゾ化合物の性質の要点
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アソビスイソブチロニトリル…AIBN、窒素とシアンガスに分解する…
▶6-ジアゾ化合物の性質の要点
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ジアゾジニトロフェノール…DDNP、アセトンに溶ける。光で褐色に変色する…
▶7-ヒドラジンの誘導体の性質の要点
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硫酸ヒドラジン…冷水に溶けないが温水に溶け、アンモニア、二硫化硫黄などを生成…
▶8-その他指定物の性質の要点
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アジ化ナトリウム…300℃で窒素ガスとナトリウムを生成、硝酸グアニジン…大量の水で消火