ニトロ化合物の性質 重要暗記項目
危険物取扱者試験で出題される危険物の「性質消火」問題の暗記ポイントをまとめていきます。
乙5/甲種危険物~自己反応物質~
ニトロ化合物
ピクリン酸
トリニトロトルエン
指定数量 10キログラム
第1種自己反応性物質
危険等級 Ⅰ
有機化合物の炭素に直結する水素をニトロ基で置換したもの。
引火&発火点
ピクリン酸(引火点)=207℃
ピクリン酸(発火点)=300℃
融点
ピクリン酸=122.5℃
トリニトロトルエン=81℃
沸点
ピクリン酸=255℃
トリニトロトルエン=280℃
比重
ピクリン酸=1.8
トリニトロトルエン=1.66
上記は基本概要です。危険物試験合格には下段の性質・特徴を把握し覚えましょう。
ニトロ化合物の性質&指定数量
ピクリン酸の性質
<指定数量>
◎10キログラム
<形状・性質>
◎別名:トリニトロフェノール ◎光沢のある黄色柱状結晶 ◎強い苦みがある。 ◎比重1.8、融点122.50℃、発火温度300℃付近。 ◎熱湯、エーテル、アルコール、ベンゼンに溶ける。 ◎冷水には溶けない。 ◎毒性がある。
<危険性>
◎打撃や摩擦に鈍感で燃やすと黒鉛を出して燃えるが爆発はしない。 ◎酸化しやすい硫黄、ヨード、ガソリン、アルコールなどと混合すると、打撃や摩擦により激しく爆発する。 ◎金属塩は爆発性があり非常に危険である。 ◎乾燥した状態では危険性が高い。
<貯蔵・取扱いの注意>
◎火気を近づけない。 ◎打撃、衝撃、摩擦を避ける。 ◎ヨウ素、硫黄等酸化されやすい物質との混合を避ける。
<消火の方法>
◎大量の注水による冷却消火が最も効果的。物質内に酸素を有しているため窒息消火は不適当。
トリニトロトルエンの性質
<指定数量>
◎10キログラム
<形状・性質>
◎別名:T.N.T、トリニトロトルオール、トロチル、トリトン、トーリット、トリトール ◎淡黄褐色の板状結晶。日光に当たると褐色に変わる。 ◎比重1.66、沸点81℃、発火温度295~300℃ ◎水に溶けない。 ◎エーテル、アセトン、ベンゼンに溶ける。 ◎アルコールには加熱すると溶け、ジエチルエーテルに溶ける。 ◎金属とは作用しない。
<危険性>
◎発火しやすい。 ◎加熱、衝撃、摩擦などにより爆発を起こす。 ◎爆発の速度が速く、被害は甚大となる。
<貯蔵・取扱いの注意>
◎火気を近づけない。 ◎打撃、衝撃、摩擦を避ける。 ◎ヨウ素、硫黄等酸化されやすい物質との混合を避ける。
<消火の方法>
◎大量の注水による冷却消火が最も効果的。物質内に酸素を有しているため窒息消火は不適当。
以上は危険物取扱者試験(性質分野)に出やすい部分の「抽出」です。
確実に試験に合格するためには必須の暗記・整理項目なので、頑張って記憶していきましょう。
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乙種第5類危険物 共通重要項目
一般的概要
自己反応物質とは、爆発の危険性を判断するための試験で一定の性状を示す固体もしくは液体、または加熱分解の激しさを判断するための試験で一定の性状を示す固体または液体。
共通危険性
いずれも可燃性の個体、または液体で、比重は1より大きい。
一般に可燃性物質と酸素供給源とが共存している物質であるため、極めて燃焼速度が速い。
加熱、摩擦、衝撃などにより発火し、爆発するものが多い。
空気中に兆時間放置すると、分解が進み自然発火するものがある。
引火性のものがある。
金属と作用して爆発性の金属塩を形成するものがある。
共通火災予防
分解しやすいものは、特に室温、湿気、通風に気を付ける。
火花、炎、高温体との接近、加熱、衝撃、摩擦を避ける。
分解を促進する一切の要件を断つ。
容器の破損、亀裂が起らないように注意して取り扱う。
共通消火方法
第5類危険物は爆発的に燃焼し、かつ燃焼速度がきわめて速いので、少量または初期以外は消火は困難である。
酸素を含有しているものは、窒息消火をしようとして空気を遮断しても火は消えない。
大量の水で冷却して消火する。
乙種第5類(自己反応性物質の性質・火災予防・消火)
ここではこの類の試験に必要な「性質消火」対策として必要な範囲をまとめてあります。「物理化学」「法令」対策については別ページにまとめてあるので、科目免除を受けない方は「物化・法令」も同時に勉強・理解しましょう。
※以下↓の物質名から各個別性質解説ページへ飛びます。
▶1-有機過酸化物の性質の要点
詳細ページへ
メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド…
▶2-硝酸エステル類の性質の要点
詳細ページへ
硝酸エチル、ニトロセルロース(無煙火薬・コロジオン・セルロイドの原料)、ニトログリセリン…
▶3-ニトロ化合物の性質の要点
詳細ページへ
ピクリン酸…黄色の結晶、金属塩を作る。トリニトロトルエン…爆薬、金属と作用しない…
▶4-ニトロソ化合物の性質の要点
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ジニトロソペンタメチレンテトラミン…DPT、ホルムアルデヒド、アンモニア、窒素を生じる…
▶5-アゾ化合物の性質の要点
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アソビスイソブチロニトリル…AIBN、窒素とシアンガスに分解する…
▶6-ジアゾ化合物の性質の要点
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ジアゾジニトロフェノール…DDNP、アセトンに溶ける。光で褐色に変色する…
▶7-ヒドラジンの誘導体の性質の要点
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硫酸ヒドラジン…冷水に溶けないが温水に溶け、アンモニア、二硫化硫黄などを生成…
▶8-その他指定物の性質の要点
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アジ化ナトリウム…300℃で窒素ガスとナトリウムを生成、硝酸グアニジン…大量の水で消火