特殊引火物の性質・指定数量 -乙4危険物試験-

乙4危険物の性質勉強。

特殊引火物の性質の性質 重要暗記項目

危険物取扱者試験で出題される危険物の「性質消火」問題の暗記ポイントをまとめていきます。

乙4/甲種危険物引火性固体


特殊引火物の性質

ジエチルエーテル/二硫化炭素/酸化プロピレン/アセトアルデヒド

発火点100℃以下、または引火点-20℃以下で、沸点40℃以下
指定数量 50リットル
危険等級 Ⅰ

ジエチルエーテル、二硫化炭素その他1気圧において、発火点が100℃以下のもの又は引火点が-20℃以下で沸点が40℃以下のものをいう。

特殊引火物の性質

引火点/沸点/発火点

ジエチ~=-45℃/34.6℃/160℃
二硫化~=-30℃/46.3℃/90℃
酸化プ~=-37℃/33.9℃/465℃
アセト~=-39℃/20.2℃/175℃

比重/融点//燃焼範囲/蒸気比重

ジエチ~=0.7/-116℃/1.9~48/2.6
二硫化~=1.263/-112℃/1.3~50/2.6
酸化プ~=0.83/-/2.8~37/2.0
アセト~=0.8/-123℃/4.0~60/1.5

上記は基本概要です。危険物試験合格には下段の性質・特徴を把握し覚えましょう。

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特殊引火物の性質&指定数量

ジエチルエーテルの性質


<指定数量>

◎50リットル

<形状・性質>

◎無色透明液体 ◎発揮性に富み、空気より重い蒸気 ◎比重0.7134、蒸気比重2.55 ◎沸点34.6℃、引火点-45℃、発火点180~190℃ ◎燃焼範囲1.9~48% ◎蒸気は麻酔性がある。 ◎水にわずかに溶け、エチルアルコールによく溶ける。

<危険性>

◎引火点が低く燃焼範囲が広い。 ◎直射日光や空気酸化で爆発性の過酸化物を生じる。 ◎激しい摩擦熱や静電気で発火することがある。

<貯蔵・取扱いの注意>

◎褐色ビンに密栓して直射日光を避け冷暗所に貯蔵する。 ◎容器の破損や液体および蒸気が漏れないよう注意する。

<消火の方法>

◎二酸化炭素・耐アルコール泡などによる窒息消火を行う。

二硫化炭素の性質


<指定数量>

◎50リットル

<形状・性質>

◎無色透明液体(不純物を含み黄色) ◎発揮性に富み、空気より重い蒸気 ◎比重1.26、蒸気比重2.64◎沸点46℃、引火点-30℃、発火点90℃ ◎燃焼範囲1.0~50% ◎不快臭を有する。 ◎発生蒸気は有毒。 ◎蒸気配管などに接触しても発火する。 ◎多くの有機溶剤と自由に混合する。

<危険性>

◎引火点が低く燃焼範囲が広い。 ◎蒸気ガスは有毒で、皮膚を侵し、吸入すると神経系統に害を及ぼす。 ◎燃焼すると有毒な二酸化硫黄を発生する。

<貯蔵・取扱いの注意>

◎引火・発火しやすいので火花などの火気を近づけない。 ◎直射日光を避け、冷暗所に貯蔵する。 ◎容器は密栓する。 ◎水より重く溶けないので、水中で保管する。

<消火の方法>

◎炭酸ガス、ハロゲン化物、泡などによる窒息消火を行う。

アセトアルデヒドの性質

★炭化水素1個をアルデヒド基-CHOで置換した形の化合物


<指定数量>

◎50リットル

<形状・性質>

◎別名:エタナール ◎無色透明液体 ◎比重0.783、蒸気比重1.52 ◎発火点185℃ ◎燃焼範囲4.1~57% ◎刺激臭を有する。 ◎水やエーテル、メタノール、ベンゼンなどの有機溶剤とよく混ざる。 ◎酸を加えると重合し発熱する。 ◎酸化すると酢酸となる。

<危険性>

◎引火点が低く燃焼範囲が広い。 ◎蒸気ガスは目や鼻、のどの粘膜を刺激し有毒。

<貯蔵・取扱いの注意>

◎引火・発火しやすいので火花などの火気を近づけない。 ◎直射日光を避け、冷暗所に貯蔵する。 ◎容器は密栓する。 ◎酸化されないように空気との接触を避ける。

<消火の方法>

◎水に溶けるので、耐アルコール泡を用いる。 ◎炭酸ガス、粉末なども使用できる。

酸化プロピレンの性質


<指定数量>

◎50リットル

<形状・性質>

◎別名:プロピレンオキサイド ◎無色透明液体 ◎比重0.830、蒸気比重2.0 ◎沸点34℃、引火点-37℃ ◎燃焼範囲2.5~38.5% ◎刺激臭を有する。 ◎化学的に活性で多くの物質と反応し発熱する。 ◎銅・銀等の金属類に接触すると重合する。

<危険性>

◎引火点が低く燃焼範囲が広い。 ◎蒸気ガスは有毒で、吸入すると頭痛、めまい、吐き気をもよおし、皮膚に付くと凍傷・火傷のようになる。

<貯蔵・取扱いの注意>

◎引火・発火しやすいので火花などの火気を近づけない。 ◎容器保管の時は、窒素などの不活性ガスを上部に満たす。 ◎銅・銀、マグネシウムなどの金属と接触させないように注意する。 ◎取り扱いの際は防毒マスクなどの安全対策を怠らない。

<消火の方法>

◎水に溶けるので、耐アルコール泡を用いる。 ◎通常は炭酸ガス、場合によっては粉末、泡消化器などによる消火を行う。

特殊引火物-その他-

ペンタン、イソプレタン、ぎ酸メチルなど

以上は危険物取扱者試験(性質分野)に出やすい部分の「抽出」です。

確実に試験に合格するためには必須の暗記・整理項目なので、頑張って記憶していきましょう。

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乙4危険物取扱者 資格マスター

乙種第4類危険物 共通重要項目

一般的概要

引火点を有する引火性液体であって、常温常圧で液体であり、発揮性が大きく、常に液面に可燃性蒸気を発生している。

液体(第3石油類、第4石油類及び動植物油類にあっては、1気圧において、温度20℃で液状であるものに限る。)であって、引火の危険性を判断するための政令で定める試験において引火性を示すものであることをいう。

共通危険性

引火点が低い物ほど、引火の危険性が大きい。
燃焼範囲の広いものほど、危険性は大きい。
下限の蒸気濃度の低い物ほど、危険性は大きい。
空気より重い蒸気で低い所に滞留し引火の危険がある。
水に浮いて火面が広がり消火は困難である。
発火点が低いほど危険である。

共通火災予防

通風及び換気に気を付けて、上記を発生させないこと。
引火を避けるため、炎、火花、高温体等を危険物に近づけないこと。
静電気の発生、蓄積を防止すること。

共通消火方法

窒息作用または抑制作用(負触媒作用)による消火を行う。
窒息作用による消火…化学泡、機械泡、粉末、ハロゲン化物及び二酸化炭素消化器
抑制作用による消火…霧状放射の強化液、粉末及びハロゲン化物消化器

乙種第4類(引火性液体の性質・火災予防・消火)

ここではこの類の試験に必要な「性質消火」対策として必要な範囲をまとめてあります。「物理化学」「法令」対策については別ページにまとめてあるので、科目免除を受けない方は「物化・法令」も同時に勉強・理解しましょう。

※以下↓の物質名から各個別性質解説ページへ飛びます。


指定数量 50L ジエチルエーテル・二硫化炭素・酸化プロピレン・アセトアルデヒド…

非水溶性:200L ガソリン・ベンゼン・トルエン・エステル類・メチルエチルケトン…
水溶性:400L アセトン・ピリジン…

指定数量 400L メチルアルコール・エチルアルコール・nプロピルアルコール…

非水溶性:1000L 灯油・軽油・クロロベンゼン・キシレン・テレビン油…
水溶性:2000L 酢酸…

非水溶性:2000L 重油・クレオソート油・アニリン・スピンドル油・ニトロベンゼン…
水溶性:4000L エチレングリコール・グリセリン…

指定数量 6000L ギア油・シリンダー油・タービン油・マシン油・、モ-ター油…

指定数量 10000L 椰子油・アマニ油…