第3石油類の性質の性質 重要暗記項目
危険物取扱者試験で出題される危険物の「性質消火」問題の暗記ポイントをまとめていきます。
乙4/甲種危険物~引火性固体~
第3石油類の性質
重油/クレオソート油/アニリン/スピンドル油/ニトロベンゼン/エチレングリコール/グリセリン
指定数量 非水溶性:2000リットル
指定数量 水溶性:4000リットル
引火点 70℃以上~200℃未満
危険等級 Ⅲ
重油、クレオソート油のほか、1気圧において引火点が70℃以上200℃未満のものをいう。
通常は気温が引火点より低く、常温では引火する可能性は少ないのですが、霧状のものは引火の危険があります。引火した場合には、液温が高くなっているので消火が困難となります。
重油以外は水に沈む液比重です。
非水溶性第3石油類の性質
非水溶性=引火点/沸点/発火点
重油=60~150℃/300℃~/250~380℃
クレオ~=73.9℃/199.4~400℃/336.1℃
アニリン=70℃/184.6℃/615℃
スピン~=140~200℃/-/247℃
ニトロ~=88℃/211℃/482℃
非水溶性=比重/融点//燃焼範囲/蒸気比重
重油=0.85~0.90/-/-/-
クレオ~=1.0~/-/-/-
アニリン=1.01/-45℃/-/3.88
スピン~=1~/-/-/-
ニトロ~=1.2/5.7℃/1.8~/4.3
可塑剤の性質
非水溶性=引火点/沸点/発火点
エチレ~=111℃/197.9℃/398℃
グリセ~=160℃/290℃/370℃
非水溶性=比重/融点//燃焼範囲/蒸気比重
エチレ~=1.1/-12.3℃/3.2~/2.1
グリセ~=1.3/18℃/-/3.17
上記は基本概要です。危険物試験合格には下段の性質・特徴を把握し覚えましょう。
第3石油類の性質&指定数量
重油の性質
★原油の300℃以上の蒸留残油。動粘度でA(低粘度),B,C(高粘度)重油に分類される。
☆非水溶性
<指定数量>
◎非水溶性=2000リットル
<形状・性質>
◎褐色または暗褐色液体 ◎粘性がある。 ◎水、熱湯に溶けない。 ◎硫黄分が燃焼時有毒ガスとなる。 ◎比重0.90~1.00 ◎沸点300℃以上、引火点70~150℃以上、発火点250~380℃ ◎特有の臭いがある。 ◎炭化水素を主成分とし、硫黄分が含まれている。 ◎水に浮く。
<危険性>
◎加熱しなければ引火の危険はない。 ◎燃焼時にはかなり高温になっているので少量の水は効果がない。 ◎燃焼時のガスは有毒ガス。
<貯蔵・取扱いの注意>
◎火気を避け、加熱、加温を避ける。 ◎容器は密封し、貯蔵所内の通気をよくする。
<消火の方法>
◎大量の泡消火剤またはハロゲン化物、二酸化炭素、粉末などにより消火する。
クレオソート油の性質
★コールタールから蒸留される。
☆非水溶性
<指定数量>
◎非水溶性=2000リットル
<形状・性質>
◎黄色または暗緑色の油状液体 ◎水に溶けない。 ◎アルコール、ベンゼン、トルエンにはよく溶ける。 ◎比重1以上。(=水に沈む) ◎沸点194.1~400℃、引火点74℃以上、発火点336℃ ◎特異な臭気を有する。
<危険性>
◎加熱しなければ引火の危険はない。 ◎燃焼時にはかなり高温になっているので少量の水は効果がない。 ◎燃焼時のガスは有毒ガス。
<貯蔵・取扱いの注意>
◎加熱しない限り引火する危険性は少ない。 ◎火気を避け、加熱、加温を避ける。 ◎容器は密封し、貯蔵所内の通気をよくする。
<消火の方法>
◎大量の泡消火剤またはハロゲン化物、二酸化炭素、粉末などにより消火する。
アニリンの性質
☆非水溶性
<指定数量>
◎非水溶性=2000リットル
<形状・性質>
◎無色透明の油状液体(空気中で徐々に赤くなり黒色不透明に変色) ◎水に溶けにくい。 ◎弱塩基性。◎ジエチルエーテル、エチルアルコールなどにはよく溶ける。 ◎特異臭を有する。 ◎毒性がある。 ◎比重1.02 ◎沸点184℃、融点-6℃、引火点75℃、発火点615℃ ◎酸には塩を作って溶ける。 ◎アルカリ系とは水素を発生しながら溶け金属化合物になる。 ◎比重1以上。(=水に沈む)
<危険性>
◎加熱しない限り引火する危険性は少ない。 ◎毒性があり蒸気も危険。
<貯蔵・取扱いの注意>
◎火気を避け、加熱、加温を避ける。 ◎容器は密封し、貯蔵所内の通気をよくする。
<消火の方法>
◎炭酸ガス消火器、泡消火剤、粉末消火剤などを使用する。
スピンドル油の性質
☆非水溶性
<指定数量>
◎非水溶性=2000リットル
<形状・性質>
◎無色透明または淡黄色液体 ◎低粘度液体 ◎水に溶けない。 ◎潤滑油の中で最も引火点が低い。 ◎比重1以上。(=水に沈む)
<危険性>
◎加熱しない限り引火する危険性は少ない。
<貯蔵・取扱いの注意>
◎火気を避け、加熱、加温を避ける。 ◎換気に注意する。
<消火の方法>
◎炭酸ガス消火器、泡消火剤、粉末消火剤などを使用する。
ニトロベンゼンの性質
☆非水溶性
<指定数量>
◎非水溶性=2000リットル
<形状・性質>
◎別名:ニトロベンゾール ◎褐色または暗褐色液体 ◎甘味がある。 ◎水に溶けにくい。 ◎毒性が強い。 ◎比重1以上。(=水に沈む) ◎比重1.20、蒸気比重4.25 ◎沸点211℃、引火点88℃、発火点482℃ ◎燃焼範囲1.8%~
<危険性>
◎加熱しない限り引火する危険性は少ない。 ◎蒸気・液体ともに有毒 ◎蒸気が低所に滞留しやすい。
<貯蔵・取扱いの注意>
◎火気を避け、加熱、加温を避ける。 ◎換気に注意する。 ◎毒性があるので加熱時の蒸気に注意する。
<消火の方法>
◎大量の泡消火剤またはハロゲン化物、二酸化炭素、粉末などにより消火する。
エチレングリコールの性質
☆水溶性
<指定数量>
◎水溶性=4000リットル
<形状・性質>
◎別名:グリコール ◎無色透明液体 ◎粘性がある。 ◎水、アルコール、アセトン、グリセリンに溶ける。 ◎比重1以上。(=水に沈む) ◎クロロホルム、エーテル、ベンゼン、二硫化炭素には溶けない。 ◎比重1.11、蒸気比重2,14 ◎沸点197℃、引火点120℃、発火点398℃ ◎燃焼範囲3.2%~
<危険性>
◎加熱しなければ引火の危険はない。 ◎燃焼時にはかなり高温になっているので少量の水は効果がない。 ◎燃焼時のガスは有毒ガス。
<貯蔵・取扱いの注意>
◎火気を避け、加熱、加温を避ける。 ◎容器は密封し、貯蔵所内の通気をよくする。
<消火の方法>
◎水溶性なので二酸化炭素、粉末消火剤などを使用する。
グリセリンの性質
☆水溶性
<指定数量>
◎水溶性=4000リットル
<形状・性質>
◎別名:グリセロール、リスリン ◎無色透明液体 ◎粘性がある。 ◎甘味がある。 ◎水、アルコールに溶ける。 ◎比重1以上。(=水に沈む) ◎クロロホルム、ベンゼン、二硫化炭素には溶けない。 ◎比重1.26、蒸気比重3.17 ◎沸点290℃、引火点177℃、発火点370℃
<危険性>
◎加熱しなければ引火の危険はない。 ◎燃焼時にはかなり高温になっているので少量の水は効果がない。 ◎燃焼時のガスは有毒ガス。
<貯蔵・取扱いの注意>
◎火気を避け、加熱、加温を避ける。 ◎容器は密封し、貯蔵所内の通気をよくする。
<消火の方法>
◎水溶性なので二酸化炭素、粉末消火剤などを使用する。
第3石油類-その他-
<非水溶性>
フタル酸ジブチル、ベンジルアルコール、オレイン酸など
<水溶性>
ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコールなど
以上は危険物取扱者試験(性質分野)に出やすい部分の「抽出」です。
確実に試験に合格するためには必須の暗記・整理項目なので、頑張って記憶していきましょう。
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はい、休憩時間
では、勉強再開
乙4危険物取扱者 資格マスター
乙種第4類危険物 共通重要項目
一般的概要
引火点を有する引火性液体であって、常温常圧で液体であり、発揮性が大きく、常に液面に可燃性蒸気を発生している。
液体(第3石油類、第4石油類及び動植物油類にあっては、1気圧において、温度20℃で液状であるものに限る。)であって、引火の危険性を判断するための政令で定める試験において引火性を示すものであることをいう。
共通危険性
引火点が低い物ほど、引火の危険性が大きい。
燃焼範囲の広いものほど、危険性は大きい。
下限の蒸気濃度の低い物ほど、危険性は大きい。
空気より重い蒸気で低い所に滞留し引火の危険がある。
水に浮いて火面が広がり消火は困難である。
発火点が低いほど危険である。
共通火災予防
通風及び換気に気を付けて、上記を発生させないこと。
引火を避けるため、炎、火花、高温体等を危険物に近づけないこと。
静電気の発生、蓄積を防止すること。
共通消火方法
窒息作用または抑制作用(負触媒作用)による消火を行う。
窒息作用による消火…化学泡、機械泡、粉末、ハロゲン化物及び二酸化炭素消化器
抑制作用による消火…霧状放射の強化液、粉末及びハロゲン化物消化器
乙種第4類(引火性液体の性質・火災予防・消火)
ここではこの類の試験に必要な「性質消火」対策として必要な範囲をまとめてあります。「物理化学」「法令」対策については別ページにまとめてあるので、科目免除を受けない方は「物化・法令」も同時に勉強・理解しましょう。
※以下↓の物質名から各個別性質解説ページへ飛びます。
▶1-特殊引火物の性質の要点
詳細ページへ
指定数量 50L ジエチルエーテル・二硫化炭素・酸化プロピレン・アセトアルデヒド…
▶2-第1石油類の性質の要点
詳細ページへ
非水溶性:200L ガソリン・ベンゼン・トルエン・エステル類・メチルエチルケトン…
水溶性:400L アセトン・ピリジン…
▶3-アルコール類の性質の要点
詳細ページへ
指定数量 400L メチルアルコール・エチルアルコール・nプロピルアルコール…
▶4-第2石油類の性質の要点
詳細ページへ
非水溶性:1000L 灯油・軽油・クロロベンゼン・キシレン・テレビン油…
水溶性:2000L 酢酸…
▶5-第3石油類の性質の要点
詳細ページへ
非水溶性:2000L 重油・クレオソート油・アニリン・スピンドル油・ニトロベンゼン…
水溶性:4000L エチレングリコール・グリセリン…
▶6-第4石油類の性質の要点
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指定数量 6000L ギア油・シリンダー油・タービン油・マシン油・、モ-ター油…
▶7-動植物油類の性質の要点
詳細ページへ
指定数量 10000L 椰子油・アマニ油…