第2石油類の性質の性質 重要暗記項目
危険物取扱者試験で出題される危険物の「性質消火」問題の暗記ポイントをまとめていきます。
乙4/甲種危険物～引火性固体～
第2石油類の性質
灯油/軽油/クロロベンゼン/スチレン/キシレン/テレビン油/酢酸アクリル酸/酢酸
指定数量 非水溶性：1000リットル
指定数量 水溶性：2000リットル
引火点 21℃以上～70℃未満
危険等級 Ⅲ
灯油、軽油のほか、1気圧において引火点が21℃以上70℃未満のものをいう。
通常は得気温が引火点より低く、常温では引火する可能性は少ないのですが、加熱によって引火点以上に液温が上昇すると危険になります。
非水溶性第2石油類の性質
非水溶性＝引火点/沸点/発火点
灯油＝40℃～/150～320℃/255℃
軽油＝45℃/200～350℃/250℃
クロロ～＝29.4℃/132℃/593℃
スチレン＝32℃/146℃/490℃
キシレン＝27～33℃/137～142℃/-
テレビン油＝35℃～/148.9℃/253℃
非水溶性＝比重/融点//燃焼範囲/蒸気比重
灯油＝0.79～0.80/-/1.1～6.0/4.50
軽油＝0.83～0.88/-/1.0～6.0/4.50
クロロ～＝1.105/-45℃/1.3～9.6/3.88
スチレン＝0.91/-/1.1～6.1/3.60
キシレン＝0.86～0.88/-/1.1～7.0/3.66
テレビン油＝0.87/16.6℃/0.8～/2.10
水溶性第2石油類の性質
水溶性＝引火点/沸点/発火点
酢酸ア～＝51℃/141℃/-
酢酸＝39℃～/117.8℃/463℃
水溶性＝比重/融点//燃焼範囲/蒸気比重
酢酸ア～＝1.06/14℃/-/2.45
酢酸＝1.05/16.6℃/4.0～19.9/2.10
上記は基本概要です。危険物試験合格には下段の性質・特徴を把握し覚えましょう。
第2石油類の性質＆指定数量
灯油の性質
★原油精製工程でガソリンの次に留出される。
☆非水溶性
＜指定数量＞
◎非水溶性＝1000リットル
＜形状・性質＞
◎別名：ケロシン ◎無色透明または淡黄色液体 ◎やや発揮しにくい。 ◎水に溶けない。 ◎特異臭を有する。 ◎比重0.78～0.80、蒸気比重4.50 ◎沸点145～270℃、引火点40℃以上、発火点220℃
＜危険性＞
◎液面が引火点以上になると引火しやすくなる。 ◎静電気が発生、蓄積されやすい。 ◎繊維にしみ込んだもの、霧状のものは引火しやすい。
＜貯蔵・取扱いの注意＞
◎容器は原則として金属容器を用いる。 ◎直射日光下に放置しない。
＜消火の方法＞
◎炭酸ガス消火器、泡消火剤、粉末消火剤などを使用する。
軽油の性質
★原油精製工程でガソリン、灯油の次に留出される。パラフィン、芳香族などの各種炭化水素の混合物。
☆非水溶性
＜指定数量＞
◎非水溶性＝1000リットル
＜形状・性質＞
◎淡黄色または淡褐色液体 ◎水に溶けない。 ◎比重0.81、蒸気比重4.50 ◎沸点200～350℃、引火点45℃以上、発火点220℃
＜危険性＞
◎液面が引火点以上になると引火しやすくなる。 ◎静電気が発生、蓄積されやすい。 ◎繊維にしみ込んだもの、霧状のものは引火しやすい。
＜貯蔵・取扱いの注意＞
◎容器の破損による漏れに注意すること。
＜消火の方法＞
◎炭酸ガス消火器、泡消火剤、粉末消火剤などを使用する。
クロロベンゼンの性質
☆非水溶性
＜指定数量＞
◎非水溶性＝1000リットル
＜形状・性質＞
◎別名：クロロベンゾール、クロベン ◎無色透明液体 ◎水に溶けない。 ◎有機溶剤によく溶ける。 ◎石油様臭気を有する。 ◎比重1.11、蒸気比重3.88 ◎沸点132℃、融点－45℃、引火点28℃、発火点638℃ ◎燃焼範囲1.3～7.1％ ◎麻酔性がある。 ◎比重が1より大きい点に注目。（＝水に沈む）
＜危険性＞
◎皮膚に接触すると、体内に吸収、蓄積され神経系統が侵される。 ◎蒸気は低所に滞留しやすい。 ◎静電気が発生しやすい。
＜貯蔵・取扱いの注意＞
◎引火点以上に液温を上げないよう注意。 ◎容器は密封し、冷所に貯蔵する。 ◎通風・換気に注意する。 ◎ビニール手袋等の着用が必要。
＜消火の方法＞
◎炭酸ガス消火器、泡消火剤、粉末消火剤などを使用する。
スチレンの性質
☆非水溶性
＜指定数量＞
◎非水溶性＝1000リットル
＜形状・性質＞
◎別名：スチロール、ビニルベンゼン◎無色透明液体 ◎発揮性液体 ◎水に溶けない。 ◎特有の臭気を有する。 ◎エーテル、エタノール、アセトン、二硫化炭素、酢酸、酢酸エチルなどに完全に溶けあう。 ◎有毒性 ◎光、加熱、酸化物により容易に重合する。 ◎比重0.91、蒸気比重3.60 ◎沸点146℃、引火点32℃ ◎燃焼範囲1.1～6.1％◎蒸気比重が3.6とかなり重い。
＜危険性＞
◎液面が引火点以上になると引火しやすくなる。 ◎静電気が発生、蓄積されやすい。 ◎繊維にしみ込んだもの、霧状のものは引火しやすい。 ◎蒸気が低所に滞留しやすい。 ◎濃い蒸気を吸収したり、長時間皮膚に触れると危険。
＜貯蔵・取扱いの注意＞
◎容器は原則として金属容器を用いる。 ◎直射日光下に放置しない。 ◎換気に注意する。
＜消火の方法＞
◎炭酸ガス消火器、泡消火剤、粉末消火剤などを使用する。
キシレンの性質
★3種の異性体が存在する。オルトキシレン、メタキシレン、パラキシレンの混合物。
☆非水溶性
＜指定数量＞
◎非水溶性＝1000リットル
＜形状・性質＞
◎別名：キシロール◎無色透明液体 ◎発揮性液体 ◎水に溶けない。 ◎有機溶剤によく溶ける。 ◎芳香族炭化水素特有の臭気を有する。 ◎有毒性 ◎しばしば弱い蛍光色を発する。 ◎比重0.86～0.88、蒸気比重3.66 ◎沸点137～142℃、引火点27～33℃ ◎燃焼範囲1.1～7.0％ ◎蒸気比重が3.7とかなり重い点に注目。（＝低所滞留しやすい）
＜危険性＞
◎液面が引火点以上になると引火しやすくなる。 ◎静電気が発生、蓄積されやすい。 ◎繊維にしみ込んだもの、霧状のものは引火しやすい。 ◎蒸気が低所に滞留しやすい。
＜貯蔵・取扱いの注意＞
◎容器は原則として金属容器を用いる。 ◎直射日光下に放置しない。 ◎換気に注意する。
＜消火の方法＞
◎炭酸ガス消火器、泡消火剤、粉末消火剤などを使用する。
テレビン油の性質
★松ヤニから採取される炭化水素系油。
☆非水溶性
＜指定数量＞
◎非水溶性＝1000リットル
＜形状・性質＞
◎別名：ターペンチン油 ◎無色または淡黄色液体 ◎空気中で酸化しやすく、粘り気が出て表面は樹脂状になる。 ◎水に溶けない。 ◎ジエチルエーテル、アルコール類、クロロホルム、ベンゼンなどによく溶ける。 ◎比重1.0未満 ◎沸点153～175℃、引火点33℃、発火点240℃ ◎燃焼範囲0.8％～
＜危険性＞
◎液面が引火点以上になると引火しやすくなる。 ◎静電気が発生、蓄積されやすい。 ◎繊維にしみ込んだもの、霧状のものは引火しやすい。
＜貯蔵・取扱いの注意＞
◎容器は原則として金属容器を用いる。 ◎直射日光下に放置しない。
＜消火の方法＞
◎炭酸ガス消火器、泡消火剤、粉末消火剤などを使用する。
酢酸アクリル酸の性質
☆水溶性
＜指定数量＞
◎水溶性＝2000リットル
＜形状・性質＞
◎別名：2－プロペン酸 ◎無色透明液体 ◎非常に重合しやすい。 ◎水、アルコール、ベンゼン、アセトンなどによく溶ける。 ◎比重1.06、蒸気比重2.45 ◎沸点141℃、引火点51℃
＜危険性＞
◎引火点が常温より高いので、常温では引火の危険性はないが、加熱されると危険。 ◎皮膚を腐食させる作用がある。
＜貯蔵・取扱いの注意＞
◎容器は密栓して貯蔵。 ◎ビニール製手袋などを着用し取り扱うこと。
＜消火の方法＞
◎耐アルコール泡、二酸化炭素、消火粉末などを使用する。
酢酸の性質
★冬期に結晶化し、氷酢酸となる。
☆水溶性
＜指定数量＞
◎水溶性＝2000リットル
＜形状・性質＞
◎別名：（氷酢酸） ◎無色透明液体 ◎酢のような刺激性臭気を有し、酸味がある。 ◎水溶液は弱酸性。 ◎約17℃以下で凝固し氷酢酸と呼ばれる固体となる。（純度96％以上のもの ）◎水、ジエチルエーテル、エタノールなどによく溶ける。 ◎エタノールと反応して酢酸エステルを生成する。 ◎比重1.05、蒸気比重2.07 ◎沸点118℃、引火点41℃、発火点465℃ ◎燃焼範囲4.0～19.9％ ◎炭素数12以上の高級脂肪族炭化水素とは混ざらない。 ◎高純度のものより水溶液の方が腐食性が強い。
＜危険性＞
◎引火点が常温より高いので、常温では引火の危険性はないが、加熱されると危険。 ◎皮膚を腐食、火傷させる作用がある。 ◎濃い蒸気を吸入すると粘膜に炎症を起こす。
＜貯蔵・取扱いの注意＞
◎容器は密栓して貯蔵。 ◎ビニール製手袋などを着用し取り扱うこと。
＜消火の方法＞
◎耐アルコール泡、二酸化炭素、消火粉末などを使用する。
第2石油類－その他－
＜非水溶性＞
ぎ酸イソブチルアルコール、シクロヘキサノン、クメンなど
＜水溶性＞
アリルアルコール、エチレングリコールモノエチルメチルエーテルなど
以上は危険物取扱者試験（性質分野）に出やすい部分の「抽出」です。
確実に試験に合格するためには必須の暗記・整理項目なので、頑張って記憶していきましょう。
過去問をこなそう
かんたん参考書検索
＜アマゾンで検索した場合＞
[密林]▶危険物試験テキスト
[密林]▶乙種危険物-過去問
[密林]▶乙種4類テキスト
＜楽天市場で検索した場合＞
[楽天]▶危険物試験テキスト
[楽天]▶乙種危険物-過去問
[楽天]▶乙種4類テキスト
はい、休憩時間
では、勉強再開
乙4危険物取扱者 資格マスター
乙種第4類危険物 共通重要項目
一般的概要
引火点を有する引火性液体であって、常温常圧で液体であり、発揮性が大きく、常に液面に可燃性蒸気を発生している。
液体（第3石油類、第4石油類及び動植物油類にあっては、1気圧において、温度20℃で液状であるものに限る。）であって、引火の危険性を判断するための政令で定める試験において引火性を示すものであることをいう。
共通危険性
引火点が低い物ほど、引火の危険性が大きい。
燃焼範囲の広いものほど、危険性は大きい。
下限の蒸気濃度の低い物ほど、危険性は大きい。
空気より重い蒸気で低い所に滞留し引火の危険がある。
水に浮いて火面が広がり消火は困難である。
発火点が低いほど危険である。
共通火災予防
通風及び換気に気を付けて、上記を発生させないこと。
引火を避けるため、炎、火花、高温体等を危険物に近づけないこと。
静電気の発生、蓄積を防止すること。
共通消火方法
窒息作用または抑制作用（負触媒作用）による消火を行う。
窒息作用による消火…化学泡、機械泡、粉末、ハロゲン化物及び二酸化炭素消化器
抑制作用による消火…霧状放射の強化液、粉末及びハロゲン化物消化器
乙種第4類（引火性液体の性質・火災予防・消火）
ここではこの類の試験に必要な「性質消火」対策として必要な範囲をまとめてあります。「物理化学」「法令」対策については別ページにまとめてあるので、科目免除を受けない方は「物化・法令」も同時に勉強・理解しましょう。
※以下↓の物質名から各個別性質解説ページへ飛びます。
▶1-特殊引火物の性質の要点
詳細ページへ
指定数量 50Ｌ ジエチルエーテル・二硫化炭素・酸化プロピレン・アセトアルデヒド…
▶2-第1石油類の性質の要点
詳細ページへ
非水溶性：200Ｌ ガソリン・ベンゼン・トルエン・エステル類・メチルエチルケトン…
水溶性：400Ｌ アセトン・ピリジン…
▶3-アルコール類の性質の要点
詳細ページへ
指定数量 400Ｌ メチルアルコール・エチルアルコール・nプロピルアルコール…
▶4-第2石油類の性質の要点
詳細ページへ
非水溶性：1000Ｌ 灯油・軽油・クロロベンゼン・キシレン・テレビン油…
水溶性：2000Ｌ 酢酸…
▶5-第3石油類の性質の要点
詳細ページへ
非水溶性：2000Ｌ 重油・クレオソート油・アニリン・スピンドル油・ニトロベンゼン…
水溶性：4000Ｌ エチレングリコール・グリセリン…
▶6-第4石油類の性質の要点
詳細ページへ
指定数量 6000Ｌ ギア油・シリンダー油・タービン油・マシン油・、モ－ター油…
▶7-動植物油類の性質の要点
詳細ページへ
指定数量 10000Ｌ 椰子油・アマニ油…
